計画停電に耐えるUPS考察 その2

計画停電に耐えるUPS考察の続き。


前回示したの結論、「既存(中古)のUPSを改造すればいいっぺ」に変わりはないものの、ここ数日でいろいろと分かった事も織り交ぜて、さらに考察を進めていきたいと思います。


UPSを使用していて、開腹してバッテリ交換された方なら、こんな説明は不要なのですが、UPSの中にはシールドバッテリが数個入っています。そう数個。小さいUPSだと1個。大型だと4個とかいった具合。それ以上は知りません。そして、それらのシールドバッテリーの電圧はそろいも揃って12Vだということです。大型のトラックで24Vの車があるんですけども、こっちも12V*2個で24Vにしてます。つまりUPSと戦うのならば、12Vのバッテリが必須だということです。

ここからわざと脱線しますけど、ONUWiFiルーターってだいたいACアダプタ駆動ですよね。つまり、ACアダプタで100Vから任意のDC電源に変換している。そういう意味ではPCも同じくDC電源で動いてる。電圧はそれぞれ違いますけど、ACは輸送用の電気であってそのままでは電子機器には使用できない。何らかの方法でDCにする必要が有る。

バッテリ12V→インバータ(DC/AC)→ACアダプタ(AC/DC)→目的の機器

となり、AC/DCの変換ロスが生まれている。
なので、

バッテリ12V→DC-DCコンバータ→目的の機器

クリティカルパスと思ったんですよね。

でも、これだと常用から停電時への切り替え方法を考えないといけないし、充電方法も構築しないといけない。電子工作が得意な方ならばうまくやるのでしょうが私にはちょっと。(教えてくれる方がいればぜひ!)それって、UPSの自作に近いよねって話ですよ。なので、路線は元に戻って、やっぱりUPS改造の道しかないかなって訳です。

UPSの改造なんて大きなほら吹いてますけど、UPSがダメになるのはバッテリ側が多い。制御側は結構強い。たまには壊れるみたいですけど。アキレス筋であるバッテリをなんとかすればいいのです。そう、バッテリの大型化や低価格化などをすればいいのです。

UPSに使用されているシールドバッテリは意外と高性能だったりします。下記にとあるバッテリの説明を引用します。

=主な特長=
フルメンテナンスフリー。充電時に発生するガスは内部で吸収されるので電解液の補水は不要、特殊シーリング設計(完全密閉型)です。標準タイプのトリクル(フロート)期待寿命約3年に対して2倍の6年(0.25C20A、25℃)を実現しました。

1個 ¥4,200(税込)
小型シール鉛蓄電池(12V7.2Ah)PXL12072 - 秋月通商

このバッテリが安いの高いのかはわかりません。純正買うよりは安いはずです。ただ、そこらのHCで売っているカーバッテリ38B19R(L)などと同じ値段レンジであることは否めません。5時間率容量で12V28Ahとバッテリ容量だけみると高スペック。大型車で使われる75D23R(L)クラスになると52Ahにまでのびます。

しかし、これが使えないのには理由があります。Hです。バッテリは充電時にHガスが発生するのです。これがまずい。1F-1、1F-3が爆発し、建家が吹っ飛んだような事態になってしまいます。そのため、Hガスの出ないシールドバッテリ様々という訳です。

これで、あきらめないのが悪い癖。車用でもシールドバッテリは有るんですよね。レーシングマシンやオーディオマニア御用達のドライバッテリです。カッコいいパッケージのODDESSAYやOPTIMAです。これらは、充放電にけっこう強くできていて、密閉式なので水素も出ない。そのぶん価格も高い。気軽に買えるものではない。

ここまでの状況をせいりするとも、次の選択肢が出てきます。

  • 高くて安全なシールドバッテリを買う。
    • 室内設置可能
  • 安くて液漏れ、水素ガスの出るオープンバッテリを買う。
    • 屋外設置か、換気方法を用意

この判断が難しいところです。
だって素直に新品のUPS買えばいいんじゃねって思えてもくる。

そういえば、4月からは一年で一番電気の使用が少ない時期。なので計画停電も起こらない予感もヒシヒシ感じてます。ただ停電の本番は夏なので、それまでに具体的な対策を考えておかないと。外気温の上昇はバッテリにも深刻なダメージを与えますからね。いったいUPSはどうなるんでしょうか?夏場毎日3時間耐え抜くのでしょうか?

今日はここまで。次回はいよいよ具体的な方法を示したいと思います。Chao!

追記

先に述べたような、DC(not データセンタ)電源の使用について、さくらインターネットが比較図示してますので、下記リンクご覧くださいませ。
さくらインターネット、石狩データセンターにて高電圧直流(HVDC)給電システムを採用へ